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高森明勅
2019.8.29 06:00皇室

光厳天皇の「祈り」

光厳(こうごん)天皇というお名前をどれだけの人が覚えているだろうか。

北朝第1代の天皇だ。
皇太子時代には第95代・花園天皇から厳しい訓戒の書
『カイ(言+戒)太子書(かいたいしのしょ)』を授けられている。
長い皇室の歴史でも殆ど類例を見ない、数奇なご生涯を辿られた
(地獄を二度も見た天皇、とも評される)。
その光厳天皇に印象深い御製(ぎょせい)が伝えられている。

神にいのる

我(わが)ねぎ事(ごと)の
いささかも
我ためならば
神とがめたまへ

「ねぎ事」とは「(神への)願い事」。
だから、自分の神への願い事に、ほんの僅かでも自分自身の為という
部分が含まれていたら、どうか神よ、厳しくお咎(とが)め下さい―と
お詠(よ)みになっているのだ。
天皇の「祈り」に私(わたくし)無し。

その本質を端的に詠み上げられた御製だ。
激動の時代に、まさにその渦中にあられた天皇の御製だけに、
一層、胸に迫る。

【高森明勅公式サイト】
https://www.a-takamori.com/

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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